インスペクションは不動産売却前にすべき?調査概要や売主のメリットを解説
長年住んでいたマイホームを安心して不動産売却したいと考えるとき、中古住宅に活用できる調査として、専門家によるインスペクションがあります。
インスペクションの調査は売買の安心につながりますが、信頼できる調査の依頼先や費用なども、気になるところではないでしょうか。
そこで今回は、インスペクションとはどのような調査なのか、概要やメリット、費用について解説します。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
不動産売却時にできる建物状況調査!インスペクションとは?
愛着のある自宅も、中古住宅として売り出す際には、不具合によるトラブルが生じないか不安に感じられることもあるかもしれません。
まずは、既存住宅の調査であるインスペクションとはどのようなものか、概要から解説します。
「インスペクション」とは?
不動産売却をする際に知っておきたいインスペクションとは、既存住宅をのためにおこなわれる建物状況調査です。
近年、日本では既存住宅の流通を促進する施策がおこなわれており、インスペクションもそのひとつです。
国土交通省は、2013年6月に既存住宅インスペクション・ガイドラインを策定しました。
そのなかで、具体的な検査項目や方法についても明示されています。
また、宅地家建物取引業法では、インスペクションとは、国が定める既存住宅状況調査方法基準に沿って実施するものと規定しています。
不動産売却の前に調査を実施すれば、建物の欠陥や劣化の状態などを把握できるほか、修繕が必要なところの把握が可能です。
実施した建物は、不動産購入者も検討しやすくなるため、既存住宅の流通を活性化することに貢献している調査といえます。
インスペクションを利用できる既存住宅とは、築2年以上が経過し、今までに人が入居したことがある中古住宅です。
基本の調査方法は専門家による目視で、デジタル水平器などの計測機器を用いた診断や、打診や動作確認などがおこなわれます。
調べる対象は、構造耐力上主要な部分と、雨水の侵入を防ぐ部分の2つです。
具体的には基礎や床版、屋根版や壁、外壁や開口部などをプロの目線で調べていきます。
浴室乾燥機やインターフォンといった住宅設備は、調査対象外です。
家の傾きの具合や雨漏りなどについて確認することにより、不動産売却をする物件が、家として備えておくべき品質を保てているかがわかります。
なお、インスペクションに関する情報提供義務などが盛り込まれた改正宅地建物取引業法が、2018年4月に施行されました。
これにより、媒介契約を結ぶ際に、建物状況調査に対応する者のあっせんついて書いた書類が発行されることになっています。
説明などの義務化の対象となっているのは不動産会社であるため、不動産売却をする売主がインスペクターを実施するかは自由であり、義務化はされていません。
売主が実施するタイミング
売主がインスペクションを希望する場合、実施のタイミングは、売却活動をはじめる前です。
実施前の流れは、不動産会社による査定をおこない、媒介契約を結びます。
不動産会社が、媒介契約をおこなうときにインスペクションについても説明をし、実施を希望する方は信頼性の高い専門家の紹介を受けることが可能です。
調査する専門家の手配が済んだら、実施となります。
インスペクションの結果は、不具合がない場合には合格、不具合があった際には不合格と表現され、伝えられます。
合格の場合はそのまま売り出しをしても、問題はありません。
不合格の場合も売却ができないといったことはなく、修繕をしてから売り出すか、価格を見直すかなどを検討します。
そのままであっても、買主が容認するケースでは、問題なく売ることも可能です。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
インスペクションが役立つ!不動産売却時のメリットをご紹介
マイホームの売却活動前に、売主の方が実施することができるインスペクションには、複数のメリットがあります。
ここでは、インスペクションをすることによって、不動産売却時などに得られるメリットをご紹介します。
物件の現況を把握できる
インスペクションとは、建物の現在の状況を専門家が客観的に判断し、売主や買主が状態を把握できる調査です。
プロによる目視の検査以外に、オプションでより詳細な診断をおこなうことも可能です。
調査をおこなうことにより、中古住宅の品質がわかり、不安を払拭して売り出しやすいことは、売主の方にとってメリットといえます。
また、実施済みの場合は、調査をおこなっていない競合物件があった場合に差別化ができることも、不動産売却をするうえでのメリットです。
安心して購入検討できる
インスペクションの実施は、買主にもプラスの影響を与える可能性があります。
プロがおこなった検査結果から、建物の現在の状態を知ることができるため、買主が購入する際の安心感につながることがメリットです。
劣化の状況や修繕が必要なところも把握できるため、買主が購入したあとにかかるリフォームや維持に関する費用も予測しやすいです。
引き渡し後のトラブルを防ぐ
インスペクションのメリットには、引き渡し後のトラブルが起きる前に防ぎやすいことも挙げられます。
調査を実施することにより、不動産の状態を把握し、しっかりと説明をしてから売買契約に進むことができます。
そのため、引き渡し後にクレームや修理費用を求められるといったトラブルが、回避しやすいでしょう。
インスペクションの実施は、売主と買主の双方にプラスの面があり、スムーズな不動産売却につながることがメリットです。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
不動産売却時に依頼するインスペクション!費用相場を解説
専門家によるインスペクションの調査は、不動産売却にあたって実施するメリットが複数ありますが、費用もかかります。
インスペクションを実施する際の費用相場と、調査を実施する人物についても、解説します。
費用相場
インスペクションをおこなうときの気になる費用相場は、一般的なケースで、5万円から7万円ほどがひとつの目安です。
調査のなかで使った機材が多く、細やかな診断をおこなうケースのなかには、10万円以上になることもあります。
オプションとして、床下や天井裏に専門家が入って調査をおこなう場合には、アップする金額として1万5,000円から3万5,000円ほど見ておくと良いでしょう。
また、面積から見た相場では、一戸建て住宅の場合約165㎡未満であれば4万5,000円ほどが目安です。
165㎡から250㎡ほどであれば5万円、250㎡から500㎡ほどなら6万5,000円が相場となります。
調査費用には、おもな項目として人件費や交通費、報告書作成費用、使用機器の損料などが含まれています。
調査に対応する専門家
宅地建物取引業法が定めるインスペクションで、調査をおこなうのは、インスペクターとも呼ばれる国が登録する既存住宅状況調査技術者です。
インスペクターは、既存住宅状況調査技術者講習を受けている建築士であり、建物の専門家です。
実際に依頼をした場合の費用は、売主が調査をおこなうケースでは売主が、買主がおこなう際には買主が負担します。
不動産会社のあっせんをご利用いただくことにより、信頼できるインスペクターへのご紹介が可能です。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
まとめ
インスペクションは、築2年以上が経ち、人が住んだことのある中古住宅は利用することができる、専門家による建物の調査です。
売主が建物の状況を把握して売り出すことができ、不動産売却時の安心につながることなどがメリットです。
専門家による診断であるため費用はかかりますが、オプションで詳細な調査を依頼できるため、ケースに応じて内容を検討すると良いでしょう。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む