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不動産売却が長引く原因とその対処法とは?売却にかかる期間の目安も解説

不動産ノウハウ

倉本  展男

筆者 倉本  展男

不動産キャリア20年

不動産売却が長引く原因とその対処法とは?売却にかかる期間の目安も解説

不動産を売り出す際、「できるだけ早く売却したい」と考える方は多いものです。
スムーズな売却を実現するためには、事前に売却が長引く原因と、その対策を理解しておきましょう。
この記事では、不動産売却にかかる期間の目安と、売却が長引く原因、そしてその対処法について解説していきます。

不動産売却にかかる平均期間と流れ

不動産売却にかかる平均期間と流れ

不動産売却を決定してから物件の引き渡しが完了するまでの期間は、一般的に3~6か月ほどかかります。
ただし、物件の需要や状況によっては、早く売れることもあれば、売却に時間がかかることもあります。
それぞれのステップをしっかりと進めていくことが、スムーズな売却のカギです。
まずは、不動産売却の主な流れと、それぞれのステップにかかる期間について解説します。

1. 情報収集から査定、不動産会社の選定まで(約2週間~1か月)

まず、不動産を売却することを決めたら、情報収集をおこないます。
同じエリアや、似た条件の物件がどのくらいの価格で売りに出されているのか、相場を確認することが重要です。
相場を把握したら、不動産会社に査定を依頼しましょう。
インターネットでの簡易的な机上査定を活用して、不動産会社から見積もりを取り、訪問査定で物件を直接評価してもらいます。
納得できる査定額を提示してくれる不動産会社が見つかったら、そこで仲介契約を結びます。
弊社でも不動産の査定をおこなっていますので、お気軽にお問い合わせください。

2. 売却活動から内覧受け入れ、条件交渉まで(約3~6か月)

不動産会社と契約した後は、売却価格を決め、売却活動を開始します。
雑誌やチラシ、インターネットなどを活用して広く物件を宣伝し、購入希望者を募ります。
興味を持った購入者に内覧をしてもらい、具体的な条件について交渉を進めていく流れです。
希望者が現れるまでの期間は物件によって異なりますが、一般的には数か月かかることが多いです。

3. 売買契約から引き渡しまで(約2週間~1か月)

条件がまとまったら、売買契約を結びます。
当日には、買主・売主・不動産会社の担当者が同席し、契約書の内容を確認しながら読み合わせをおこない、併せて手付金の受け渡しなどもおこないます。
準備が必要な書類が多いため、本人確認書類や登記識別情報などは早めに用意しておくことが重要です。
購入者が住宅ローンを利用する場合、ローン審査に2週間から1か月ほどかかることがあり、審査が完了した後に物件の引き渡しと残りの代金の受け取りがおこなわれます。

不動産売却が長引く主な原因

不動産売却が長引く主な原因

不動産売却の平均期間は3~6か月ほどとご紹介しましたが、不動産売却がスムーズに進むとは限りません。
「売れないまま時間がかかってしまった」という話もよく耳にします。
不動産売却が長引く原因として、価格設定、エリアの条件、売却時期、住宅ローンの残債など、さまざまな要因が挙げられます。
これらの点に注意し、計画的に売却活動を進めることが、スムーズな売却につながるでしょう。
続いて、売却が長引く原因について、以下の4つを挙げて解説します。

売却が長引く原因①:売り出し価格が相場よりも高い

売り出し価格が周辺の相場よりも高いと、購入希望者がなかなか現れません。
なぜなら、多くの不動産が売りに出されている中で似た条件であれば、一般的に価格の安い方が選ばれやすくなるからです。
売却期間が長引くと、売れ残っている印象を与え、さらに売却が難しくなる可能性があります。
とくに、売却開始から3か月経っても買い手がつかない場合は、価格の見直しが必要です。
また、リフォーム費用を販売価格に上乗せする際も注意しましょう。
中古物件を購入して自分でリフォームしたいという方も多いため、価格が高すぎると敬遠される可能性があるのです。

売却が長引く原因②:物件のエリアに問題がある

物件周辺のアクセス環境が不便だったり、周辺のお買い物施設が不足していたりする場合、売却に時間がかかることがあります。
とくに、駅から遠かったり、スーパーや学校が近くになかったりする場合、買い手が見つかりにくくなることが多いです。
また、同じエリアに物件が多いと、条件の良い物件に希望者が集中し、自分の物件が売れ残る可能性があります。

売却が長引く原因③:売り出しの時期が悪い

不動産売却には、タイミングが重要です。
春の新学期や秋の人事異動シーズンは、引っ越しの需要が高まり、中古物件の売れやすい時期とされています。
このタイミングを逃してしまうと、売却に時間がかかることがあるため注意が必要です。
また、地域によって不動産が売れやすい時期は異なるため、地域の市場動向を把握せずに売り出しを開始すると、売却が長引く原因になりかねません。

売却が長引く原因④:住宅ローンの残債

住宅ローンが残っている不動産も売却は可能ですが、ローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。
売却価格がローン残債を上回れば問題ありませんが、売却価格が残債を下回る場合、預貯金などで差額を補わなくてはなりません。
そのため、差額の準備ができないと、売却に時間がかかってしまうでしょう。

不動産売却を長引かせないための対処法

不動産売却を長引かせないための対処法

「早く売却したい」「引っ越しまでに売却を終えたい」など、売却期間にリミットがある場合、物件がなかなか売れないと困ってしまいます。
不動産を早く売却したい場合は、価格の見直しや物件の手入れ、不動産買取の検討など、いくつかの改善策があります。
これらの方法を試して、売却期間を短縮し、スムーズな取引を目指しましょう。
最後に、不動産売却を長引かせないための対処法を解説します。

対処法①:販売価格を見直す

現在の販売価格が相場よりも高すぎる価格設定は、売れにくくなる原因です。
価格を適正に設定することはもちろん、長期間売れ残るリスクを考えるなら、早めに価格を下げることも検討しましょう。
不動産は時間が経つほど価値が下がるため、思い切って価格を見直すことで、売れる可能性を高めることができます。

対処法②:物件の清掃と整理整頓を徹底する

内覧希望者は多いのに契約に至らない場合、物件自体は条件を満たしているものの、内覧時に良い印象を与えられていない可能性があります。
短期間で売却を実現するためには、物件の手入れを徹底しましょう。
とくに、建物内部の清掃や整理整頓、庭や外構の雑草処理など、こまめな手入れが重要です。
水回りや玄関など、古さや汚れが目立ちやすい部分はとくに注意して手入れをおこない、購入希望者に良い印象を与えるようにしましょう。

対処法③不動産買取を検討する

不動産売却には、購入希望者を探す一般的な方法だけでなく、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」という方法もあります。
とにかく早く売却したい場合は、この方法を検討してみるがおすすめです。
不動産買取では、購入者を探す手間がなく、金額などの条件が合えばすぐに売却が成立します。
買取価格は通常の売却価格の7~8割程度と低めですが、仲介手数料がかからないなどのメリットもあります。
とくに、急な転勤や住み替えなどで売却期限が決まっている場合には、買取が有効な選択肢になるでしょう。

まとめ

不動産売却は一般的に3~6か月かかりますが、価格設定や立地、売り出し時期、住宅ローンの残債などの要因で長引くこともあります。
売却を早めるには、販売価格の見直しや物件の清掃、整理整頓を徹底することが効果的です。
また、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」も一つの方法で、これらの対策を講じることで、売却期間を短縮し、スムーズな取引が期待できます。


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